せい☆どく

せい☆どく

感想垂れ流し系

氷菓 第22話 「遠まわりする雛」

なんだこの「予算がちょっと余ったので最終回は声優を豪華にしましょうか」みたいな大御所オンパレード。
収録現場がどんな感じだったか見てみたいなー。ラジオ聞いてみるか。


いやぁ…本当に良い最終回であった。ここまでほっこりさせられるとは。
2クール掛けて積み上げてきたほうたろとえるの関係性の集大成と言うか、今まで見てきたご褒美と言うか。
最初の頃なら間違っても傘持ちなんて引き受けなかったろうに断る口実すら探さずOK出すとは変われば変わるものだ。
そんなものだから最後の告白は実に盛り上がったのだが…結局聞こえなかったのか奉太郎の妄想だったのか、有耶無耶で終わったのは残念。
実際えるはえるで妙に誘い受けのような発言繰り返してるしあそこでズバッと言えばOK貰えた気がするんだけどなー。少なくともアニメから見える描写においては。
しかし今回の事件、最初てっきりえるが犯人と思ったのは秘密。狂い桜の下を奉太郎と歩きたかったとかそういう理由で。
ただ面子云々を第一に考える子だから間違ってもそんなことはしないか。将来のことまできちんと考えてる出来た子だ。
出来た子と言えばちゃんと出るとこ出ればしっかり礼儀正しい作法ができる奉太郎にもちょっと感心した。姉の調教の賜物だろうか。
波平(仮名)からの覚えも良くなったしこれで地元付き合いもバッチリですね折木さん!


総括。
序盤ははっきり言って地味極まりないなんちゃって推理モノだなーと思っていたのだが。
この作品のキモは推理や謎解きではなく如何にして千反田えると言う気になり天使を満足させるかが重要だということに気づいてからは実に楽しく見ていられました。
さらに話が進むにつれ典型的なやれやれ系主人公だと思っていた折木奉太郎が作中で一番の萌えキャラと発覚してからはなおさら面白くなったわけで。
そうなった転機はやはり女帝登場、万人の死角からだろうか。あそこから奉太郎の萌えキャラ化が進んだように思える。
話自体は相変わらず日常のちょっとしたことが多かったのだがキャラの掘り下げが上手いのか内面描写が秀逸なのか、とにかく登場人物が何かするだけで楽しめたなぁ。
この辺の細かな配慮はさすが京アニと言うべきか。作画が美麗なのは今更言うまでもないがそれ以外のきめ細やかさは女性スタッフが多い所以だろうか。
何より重要なのはこの作品が2クールあった事にあると思う。1クール物だとここまでキャラに感情移入することもなかったろうし。
物語や登場人物に愛着を持たせるならやはり2クール必要だということを再確認させられる良い作品であった。
色々カットや改変してる部分もあるらしいし原作に手を出してみようかな。原作読者いわく完結まで10年待てるならと念押しされてしまったが。