せい☆どく

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感想垂れ流し系

迷家‐マヨイガ‐ 第十二話 「ナナキは心の鏡」

処刑ちゃんのツッコミがいちいちシリアスを阻害してどうしたものかと。


うーん…良い最終回であった…か?
少なくともミツムネ・ホモ・メンヘラの三角関係話はおおよそ綺麗にまとまっていたしここだけ見るとそう悪いものでもないのだが。
案の定と言うか予想通り他のモブキャラのナナキ問題は半ば放り投げられる形で終わってしまったのが如何ともし難い。
元々色んな悩みを持って現実から逃避してきた有象無象って描き方だったんだろうしある意味この適当な扱いも予定通りと言えば予定通り…なのだろうか。
実際きちんとナナキを描かなかったからこそトラウマが解消しなかったわけで、解消しなかったからこそ逃げる道を選ぶ説得力が生まれているとかいないとか。
まぁナナキをちゃんと描いたにも関わらず残るとか言い出す人も何人かいたのだがそれはそれとして。
この辺はAnotherと同じように現象そのものはあくまでただの舞台装置であってそれ自体の成り立ちや原因を究明することを目当てに見るのがそもそも間違いであったと。
ただ現実に戻った組にしてもあまりナナキを受け入れたように見えなかったのだが帰るかと思い至って帰れるような問題なんだろうかこれ。
トラウマ受け入れたらふっと消えてバスに戻った組と徒歩でトンネルくぐってバスにいた組の違いはなんだろう…。
あとナンコさん最後まで特にトラウマを見せることなく皆を導いてたけど結局この人なんでこんなツァーに参加したんだろう。


総括。
大体上で言ったことが作品の総括にも繋がるのだが、監督や脚本が描きたかった事と視聴者の求めるものがズレていたのかなーみたいな。
当初のキービジュアルだと次々消えていく参加者、隠された秘境、その真実を解き明かす主人公達…みたいに見えたしなぁ。
それが蓋を開けば終始疑心暗鬼と責任転嫁と女の尻追いかける展開ばかりで肩透かしやら何やら。
1話1話先を引っ張る力はあったしキャラも無駄に印象的な性格してるので話を追うのは面白かったけど最終的な着地点がここで本当に良いのだろうか。
トラウマに対して逃げるも良し突っぱねるも良しと言う玉虫色の回答はなんだかモヤモヤしないでもない。何を描きたかった作品なのかと。


色々言ったけど作品に引き込む力はさすが水島努と言うべきか。エンターテイメント性の高さは折り紙付きではある。
オチや伏線よりその場その場を楽しませることにかけてはピカイチなんじゃないだろうかこの人。理詰めで見る人にはとことん相性悪いだろうけど。