せい☆どく

せい☆どく

感想垂れ流し系

リトルバスターズ

全クリにつきネタバレ全開。












2週目やる予定だけどとりあえずシナリオとCGはオールコンプ。
最初は色々不安だったけど終わってみれば良いKey作品であった。今までに比べて短いのがちと難だが。
クリア順は来ヶ谷>鈴>西園>クド>三枝>小毬>リフレインという順番。抜かしてるけど来ヶ谷GOODもしっかり補足。
正直最初に来ヶ谷をやったのは正解だったのやら失敗だったのやら。一番難解かつクリアしなきゃグッドにいけないようなものを最初にするのは敷居が高すぎたような。
シナリオがループ物とはぶっちゃけネタバレ踏んで分かっていたものの、それでも最後の展開はぐっときたなぁ。男連中が格好良すぎる。
しかしこの世界がある意味覗き見し放題だったってことは…少なくともループを意識してた馬鹿3人組は理樹が頑張って女の子落としてるのを一部始終知っていることになるのか。
本人からすれば悶絶に近いものがあるが、見守る側からすればそりゃ可愛くもなるわな。
リトルバスターズという話は要するに出演者全員が理樹と鈴を鍛えるための話だった、と思うとどこまで周りから愛されてるんだこの二人。
男連中は良いとして、心にトラウマ抱えたサブヒロインがここまでしてくれる理由を考えると色々心中複雑というか。
現実世界ではどの問題もまだ「未解決」状態なのに精神剥き出しも同然の世界構築をしてくれる余裕があるとは。
そこはまぁ二人を助けたい一方で自分達も何らかの救いが欲しかった、と考えれば解決はするか。未練とも言うが。
ただここまでやっちゃうとヒロインが誰とかそういう次元を超えて「話として一番良い」が鈴で固定されてしまう気がする。
他のサブキャラは全部鈴の噛ませといっても過言ではないし、一応誰も選んでない現実ENDもあるとはいえそれにしたって「誰も選んでない」か「鈴を選ぶ」の2択な時点でもう。
ちなみにその後の話が一番気になるのは二人だけ助かった話。周りの人間を助けられても助けられなくても成長の残滓は残っているから十分物語になると思うし。
あの二人が虚構世界と同じように同棲を始めるとか想像するだけで悶絶物ですよ。そういうSSを読みたいor書きたくなってきたなぁ。
気になる点は理樹の病気と鈴の人見知りっぷりが説明不足なくらいかな。病気の方はまだ納得できるものの鈴の過去はあやふやなままだったし。


以下個別感想。


来ヶ谷唯湖
単体では話を成り立たせずリトルバスターズという全体のパーツになってしまったシナリオ。
来ヶ谷さんだけが現実に戻っても全てを知ってる風なのはそれだけあの世界での個別ルートでの影響力が強かったということだろうか。
他のヒロインと違ってループをあそこで止めるためにループさせるという矛盾のおかげで世界を壊しかけるほどの強さだしこの解釈で良いとは思うが。
というかこの人修学旅行参加してないんじゃないかとすら思えてきた。普通にいるのが当然だと思ってたけどシナリオの最後らへんで「私の見ている願いの叶う夢」と言ってるのが気になる。
理樹と鈴以外の8人が作り出した世界に対して君は自分の見ている夢の住人なんだってのは少し言葉がおかしいし。
つまり恭介を筆頭にリトルバスターズの面々で作られた世界の中に取り込まれた人間、とも言えるのだろうか。
ただそれだと都合の付かない部分もあるし、個別ルートを自分の夢と言う言い回しもないではないんだよなぁ。
それに修学旅行楽しそうだからと学年が違う恭介が乗り込んでてこの人が行かない理由が思いつかない。
こんな事色々考えるのも一人だけループ枠の外にいるように見えるのが一番の疑問点か。夏服着たりして別の時間軸にいるような描写があるし。
そのおかげでこれもループの一環、自分で作り上げた一歩先の世界、旅行に行ってない唯ちゃんは夢で参加してましたとか色々案が出てくるんだよなぁ。
一人だけ現実世界で告白してる優遇さも気になる。


西園美魚
こちらも虚構世界を好き勝手に弄った例の1つ。基本的にヒロイン攻略で理樹を鍛えるってのは本人達に自覚がなくて恭介が全部仕向けてるから弄ったも何もないだろうが。
それでも影だの鳥だの姉妹だのは本人が世界の法則をかなり深いとこまで知ってなきゃできない芸当だし、大人しそうな顔してよくやる。
実際半分メンへラ入ってるんだけどそれを実際形にする辺りはた迷惑な行動力だけはあるか。
虚構世界で救われたのか現実に戻った後は特に何の手助けもなくトラウマが治ってるってのは強いというか強かというか。
いや好きなキャラですよ西園さん。
しかし影がない、という時点で世界自体がおかしいことに気付くべきだった。鍵作品は世界を疑うと何を信じて良いのか分からなくなるから困る。


あと腐女子気味なのは賛否別れそうだなぁとか。


能美クドリャフカ
現実世界では自分が帰還しなかったために色々問題が起こったと思うのだが、それはそれとして修学旅行に行ってる娘っ子。恐ろしい。
どう見ても単体だと奇跡の大安売りとしか思えない展開も全てをクリアした後に思い返すと納得いくものが大半。
いやまぁあの虚構世界自体が奇跡の大安売りといえなくもないんだがそれを言ったら全滅するだよ。
それに母親の死に立ち会えなかった負い目から本人が贖罪として世界を動かしてるもんだからある意味自殺に近いものがあるし。
それを救った理樹の行動を思えばあまり大安売りとも言えなくなる。
しかしあからさまな矛盾点を「シナリオが分かりにくい」だけで考察しなかった自分のスルーっぷりは正直勿体無いと思った。
あとこのシナリオにおけるキスの回数は数えることすら憚れる。
あまりのベタベタっぷりは見てるこっちがどうにかなりそうだったなぁ。クォーターには良くあることなのか。


三枝葉留佳
別に虚構世界じゃなくても同じような話を作れる、ある意味蚊帳の外にいる人。
とはいえ佳奈多が世界の秘密を知ってるっぽい発言をした=佳奈多を作り上げた葉留佳もループを知っていただろうから中々の食わせ者でもあるか。
虚構での佳奈多が作り物だったり現実世界で割とすぐ仲直りしたことを思い返してみると自分の意思で佳奈多と仲直りしたかったんだろうなぁ。
まぁシナリオよりなにより普段のおちゃらけとは大違いのヤンデレっぽい性格が妙にツボってしまったキャラではある。
あと私服見るまで分からなかったけど胸が異様にでかい。身長考えると姐御より大きく見えるんじゃないだろうか。
もうちょっとキャラデザが好みならば格段に評価が上がったキャラではある。


神北小毬
特に感想がない。最後まで虚構世界にいたり色んな伏線を提示してきた優良シナリオではあると思うんだがいかんせんキャラに興味が…。
流れ星が8個落ちた時の驚きっぷりやその後の恭介の反応はこの時点で何を暗示しているかに気付けばぞっとしないものがあったんだろうなぁ。


棗鈴
こういう性格のキャラが正ヒロインとは珍しいなぁ…と思ってたらリフレインで小学校に通ってて何時もの鍵ヒロインだなと納得した。すぐ戻ったけど。
この手の類は大好物極まりないので自然と評価も高め。それだけに中盤の無理やり学校移されたり心が壊れた場面は痛々しすぎたが。
鈴シナリオと呼べるものがそのままこの作品の根幹に関わってたり他の男連中の話に繋がってるだけにあんまり鈴個別って感じはしなかったなぁ。
まぁそこかしろで猫特有の可愛さを振りまいてただけでも十分だったけど。特に唾液云々のシーンは悶絶するかと思った。


・井ノ原真人
筋肉旋風。
正直ただのにぎやか師というか、どんな鬱展開になっても出てくるだけで気が晴れる便利なキャラと見てて侮っていた。
大事な場面になると答えをはぐらかすような態度を取る中立っぷりもループしていることを知ってて同じように行動するのも理由を知った時は軽く感動したなぁ。
それだけに暴走した時の置いてけぼり感は凄まじかったし、また仲間になったときはウキウキしたもんだ。でも目に見える全部が真人って状況は正直ギャグとしか。
一番のお気に入りシーンは野球の別れのシーン。こいつほど愛すべき馬鹿という呼び名が似合う馬鹿もいまい。


・宮沢謙吾
恭介とば別ベクトルで頼れる兄貴。うっかり自分で努力する事を放棄してしまいそうなくらい甘やかしまくってる気もするが。
2週目以降は古式さんを助ける時に毎度腕を折ってから暴走キャラになるけど、リフレインになると自分から折れたフリして遊びだすあたりあの展開は謙吾にとって必然ということだろうか。
ある意味一番子供っぽいキャラでもあったなぁ。
まぁ真人と並び称されて馬鹿と言われるだけの部分はあるということだが。天邪鬼状態を放棄すれば一番自分に素直なキャラという二面性が良い。
一番好きなシーンはやっぱり野球の別れのシーン。普段やかましい筋肉が静かに別れたのとは正反対のリアクションもまた二面性所以か。


・棗恭介
いやっほーーう!国崎最高ーーーー!
この作品における最強にして乗り越える壁であるキャラクター。中の人のおかげかまたまた美形補正か、その役割は十分果たしたんじゃないだろうか。
こんな人間が上にいたら普通完全依存してしまってもおかしくないだろうに、その点で言えば理樹はもうくちゃくちゃ凄いと言っても過言ではない。
それだけにリフレインからの憔悴恭介は見てて辛いものがあった。理想的なキャラクターが崩れる姿とでも言うか。
それは状況を打開できない事でもあり、いつも正しいと思ってた行動が間違いと気付いた事でもあり。特に鈴関連はこれで正しいとやってる最中思ってたしなぁ。
正直恭介を主軸として何度も同じ世界を繰り返す、という部分をピックアップしても良かった気はしないでもない。
理樹の頑張りにもよるが最短半年、長ければ1年以上あの時間軸を繰り返してることになってたろうから。
一番のシーンはもはや言うまでもなく野球の別れのシーン。理樹や鈴と別れる際に泣き崩れる場面はこちらの涙腺もちょっとやばかった。
ここは良い意味で理想的なキャラクターが崩れていった場面だっただけに印象深い。
どれだけ超人めいてても歳相応のキャラだと認識できる瞬間でもあった。


・直江理樹
わぁい。…いや違うそうじゃない。
Key主人公にしては珍しく、というか初めてじゃないだろうかこんなにショタっぽいキャラってのは。
言動も何時もの世をひねた目で見てるような発言は少なく基本ツッコミ役。しかも声がまた立ち絵と似合う似合う。
似合いはするが上手いかどうかは…状況によるけど大体良かったんじゃないだろうか。幼すぎるくらいか。
そんなもんだから各ヒロイン攻略はともかく鈴を連れて逃げたりリトルバスターズを再結成したり、果てはバス転倒の救助までするような勇ましさを見せられるとは思わなかった。
とりあえず女性向け同人誌に出張るのは間違いないと思って良いだろうか。あんまこういうショタショタしたのは逆に使われないかな。


シナリオ単体の好みとしてはリフレイン>西園>三枝>鈴>小毬>来ヶ谷>クド
シナリオ全体から見た好みとしてはリフレイン>鈴>来ヶ谷>クド>西園>三枝>小毬
ループを考慮入れた場合単体では不評だった来ヶ谷、クドシナリオが急浮上。どっちにしろリフレインが不動なのはある意味必然か。
ちなみにキャラとしての好みは鈴>クド>来ヶ谷>西園>三枝>小毬
別に三枝や小毬が嫌いというわけではなく順番をつけたらこうなったというか。鈴の順位はこれまた必然というか、そう思わされるようにシナリオ作ってるよなぁみたいな。
しかしここに男キャラを入れると恭介>真人>理樹>謙吾>鈴>クド>来ヶ谷>西園>三枝>小毬となってしまう。不思議!
さしすせささみと古式は順位つけるにはちょっと描写が足りなくてスルー。というか古式さん死んでるだろうし描写も何もないか。


それにしてもエンディングがオープニングの歌詞違いってのは中々味なマネを。
歌詞をじっくり聴いたらネタバレ満載なんで一度全文見てみることをお勧めする。
まぁエンディングに限らずこのゲームの挿入歌の入り方は明らかに泣かせにかかっててどれもお気に入りではあるんだが。