せい☆どく

せい☆どく

感想垂れ流し系

精霊の守り人 第26話 「旅立ち」

実に良い最終回であった。


前々回こっそり企ててた暗殺計画もバルサと死線を潜り抜けた狩人の粋な計らいでご破算に。
何で今更殺す必要があるのかと思ったが救国の英雄をチャグムだけにしておきたいという王の政治的思想からだったのか。
別にチャグムと愉快な仲間達という名目で名を残してやっても良かろうに、その辺が王族の融通の利かなさというもんか。
結局バルサ達は褒賞を受け取り追い出されるような形で城から出る事に。国を救って一泊限りとは随分ケチくさいと思わんでもない。
その帰り道のチャグムとバルサの別れのシーンは子供が大人の階段を登るような実に暖かい雰囲気に全米が泣いた。狩人は良い奴すぎる。
皇子になんかなりたくない、と愚痴を零すチャグムにわざと逃げ道を与えることで自立を促させるバルサは恐ろしいくらいの親心だったなぁ。
ラストは故郷へと旅立つバルサで締め。置いてけぼりのタンダが実に良妻すぎて感心するやら笑うやら。
確かこの後は闇の守り人に続くらしいけど、そこはアニメにならないんだろうなぁ。小説を見るしかないか。


総括。作画だけで言えば京アニも真っ青な神作画揃いだったのに周りの感想はあんまりなかったのが勿体無い。
そもそも資金からスタッフの数まで大違いだろうし比べるべくもないが、この作品の演出はもっと評価されても良いと思う。
地味ながらも目を見張るような作画と世界観を裏打ちするようなマメな設定・描写、それに負けず劣らずなBGM。作品に生気を与えるには十分すぎるくらいの演出だった。
特に戦闘シーンの流麗さはちょっと類を見ないほどの神懸りっぷりなだけあって、その分戦闘シーン自体の少なさがやや惜しかった。
2期があるなら闇の守り人だろうけど、それはあくまで闇の守り人であって精霊の守り人という作品はここで完全に終わってしまっているから続編だなんだは望むべくないのかもしれない。
何にせよ1話から最終話まで一環したクオリティーの高さは他の作品にも見習ってもらいたい安定性だった。こんな作品ばかりなら目が肥えて別の弊害が生まれそうではあるが。
まぁ金がありゃできるよ、と言われればそれまでだが。