割としみじみする良い最終回であった…のだがオレンジ農園で全てが吹っ飛んだ。
しかもアーニャのオマケ付きとはどんだけ勝ち組だオレンジ。
扇が生き残ったのが納得できないけどそれ以外はまぁ順当というかそうだろうなという予想されたオチではあった。
それでも1つの作品において主人公が死んで終わる、というのはやはりもやもやするというか陳腐でも良いから生きてて欲しかった気がしないでもない。
別に死んだフリでも良いだろうにきっちり死んだのはルル山のケジメってなもんだろうか。
Cの世界でC.C.と会話する存在になっても良かったんだけどなー。あれはマリアンヌだけの特権だっけ。
世界は概ね平和にはなったんだろうけどあれじゃナナリーだけがババを引いたような感じだ。
大量虐殺したとはいえシュナイゼルに唆されなきゃ関係ない身の上だったというのに。いやまぁあくまで押したのは自分の意思だったけど。
というかルル山のナナリー愛してるはまだシスコンのそれだがナナリーの愛してますは兄妹の一線を超えてる気がしないでもない。
その部分とナナリーがルル山を罵倒するところ、あと奴隷姿で拘束されてる場面はちょっと興奮しかけたのはここだけの秘密です、ええ。
スザクは贖罪を探していたし自分を殺して一生ゼロとして生きる生き方でも問題はないんだろうけどC.C.はあのまま流浪の旅だろうか。
本名なんだったんだとか笑顔になれたのかとか物思うところもないではないがC.C.らしいといえばらしい結末ではあった。
オレンジはサザーランドで飛び出すとこまではまぁそれも有りかと思ってたけどまさか生身で飛び出すとは思わなかったなぁ。
絶対死ぬ系のキャラだと思ってたのに数年後そこにはオレンジ畑を耕すジェレミア卿が！をやってくれるとは。
しかし最後の最後にようやくルル山の真意に気付いたカレンが語り部というのも違和感を感じないでもない。
何があっても信じたままだったらその役目に相応しいんだろうけどちょっとつれなくされたくらいで親の仇のように噛み付いてきたのは忠犬転じて駄犬すぎる。
信じ続けていれば正ヒロインの座もありえたろうが終わってみればC.C.どころか先に死んだシャーリーの方がよほどヒロインらしかったという。
まぁカレンはナイトメア戦で活躍しただけで十分か。最近飛んでばかりだったから地に足つけてのガチンコ合戦は見栄え十分だったし。
他の面々についてはやはり尺が足りず駆け足で紹介されてたけど扇が日本国首相ってのはノーサンキューすぎる。
裏切ったり内通したり話術であっさり騙される程度の男が日本のトップか…ジョージ曰く守りに向いてる男だからあれで良いのかもしれないけど。
ブリタニアは結局ナナリーが皇帝になっただけまだマシな方か。ゼロの奴隷になってるシュナイゼルもついてるし。
総括。
1期から換算して全4クール、ここまで楽しめたロボットアニメは近年ちょっと見かけないレベルの良作品であった。
1話を見た時のインパクトは未だ忘れられないものがあるなぁ。ヒロイン即銃殺、絶対遵守の力で軍人達を自殺させほくそ笑む主人公…まさに衝撃的というか。
まぁ最初はやれ種みたいだデスノートみたいだと言ってたけど。反米アニメかとも思った時期もありました。
当初はギアスだけで世界を変えられると思ってたけどゲリラを使ったらあえなく敗走、そこで黒の騎士団という組織を作り徐々に規模を大きくして日本奪還作戦までが1期。
それに失敗して記憶を失った状態から2期がスタートして黒の騎士団復活、中華との同盟、超合衆国日本、ブリタニア皇帝転じて悪名を任じたまま死亡と思い返せばなんとも長い物語だった。
考えてみれば1期が始まったのって2年も前になるのか。そりゃ感慨深くもなる。
それにしてもルルーシュがここまで世界のために貢献する理由がイマイチ分からないというか、分かるけど理解しがたいというか。
最初は妹のためだけに行動してたのに何時の間にか世界を変えようとする父親に反逆したり独裁者になって罪を背負ったりと目的が二転三転してったような。
その辺考えると予定通りの着地地点なのか放送途中で方向転換したのか若干分からないところではある。
何にせよこう言っちゃ誤解があるかもしれないけど良い死にっぷりであったと思う。本人的には最後の最後でナナリーに理解されたし思い残す事はないんだろうなぁ。
怒涛の人生、激動の生き様というのはフィクションであれ若干羨ましいと思うのは普段ダラダラ生きてるせいだろうか。
昨今オリジナルでここまで盛り上がった作品はそうそうない分、次にこれレベルの作品に出会えるのはいつだろうかとちと不安でもある。
ガンダム00は面白くはあるんだろうけど既にオリジナルの作品とは言いがたいしなぁ。
